![]() まえがき 初めて走った北海道は「でかい」の一言に尽きます。また、東京近辺では絶対に見られない 雄大な風景も沢山ありました。180度広がる地平線はなかなか見れるものではありません。多く の人が北海道に見せられる理由が何となく分かったような気がしました。では、後編をお楽しみ 下さい。 ◆ ◆ 4日目 厚床〜網走
「寒い」そう感じて目が醒めた。午前2時位だったろうか。外に出ると吐く息が白い。-_-; 9月中旬だからいくら道東といえどもそれほど寒く無いだろうとタカをくくったのが間違いだった。 エンジンをかけてヒータを入れる。少し暖まったところでエンジンを止めて寝る、といった繰り 返しを朝まで行った。 朝6時頃厚床を出発。まずは納沙布岬を目指す。根室市内のコンビニで朝食を調達する。1時間 ほどで本州最東端納沙布岬へ到着。あいにくの天気で北方領土は見ることが出来なかった。 残念!! この辺りを走ると北方領土返還に寄せる期待が大きいことが分かる。あちこちに返還 を求める看板が建っているのだ。戦後50年が過ぎようとしているのに未だに未解決であることに 怒りすら覚える。 納沙布岬を後にしてR44を戻る。風蓮湖を過ぎて R243〜 R244と走り、野付半島に入る。半島 と言っても幅が狭いところでは数百mしかない、北海の天橋立といったところか。野付崎には展望 台と駐車場があり、観光客の姿もちらほらとあった。 標津町営の銭湯とでも言う共同浴場を発見。さっそく汗を流すこととする。地方では温泉でなく ともこのような共同浴場が結構あり、重宝している。車中泊 派には温泉と共にありがたい存在である。 今回の旅のもう一つの目的は、廃止になったローカル線跡を訪ねることである。根室標津駅は 旧標津線の終点 であった駅である。駅舎は木で封鎖されており、中には入れないが、ほぼ原型を留めている。駅前 には食堂もあり、そこだけは時が止まっている。構内跡は草が生え放題で、キハ22が2両取り残さ れていた。ガラスは石をぶつけたのであろうか破れており、このまま朽ち果てるのであろうか。 広尾駅や幸福駅のように整備されることも無いまま消えてゆくのであろうか。
R244と別れ、羅臼を目指して
R335に入る。しかし、どうも体調が悪い。少し熱もある様だ。やはり昨夜の寒さが効いたらしい。
羅臼町の薬局で風邪薬を購入する。羅臼から道は
R334となり、知床峠を越える。
頂上では霧雨だったのが、降りて行くに従って快晴になってゆく。知床五湖への道道は所々ダー
トではあるが、ほぼ舗装されていた。途中には廃屋となった民家がちらほら見える。かつては人
が住んでいたとは思えない静けさだ。何やら動物の姿を見たので車を止めてみると、何とキタ
キツネである。そういえば初めてお目にかかる。耳と首からぶら下げた生態調査の認識票が
痛々しい。
今日は体調が悪いので当然、車中泊はやめよう。ということでオホーツク海を眺めながら R334〜R244と走り、網走へ。網走駅の観光総合案内所で宿の手配をする。今日の宿はビジネス ホテルだ。オホーツク丼という鮭とイクラの入った駅弁を購入し、ホテルへ入る。今夜はぐっ すりと寝ることにしよう。
◆ 5日目 網走〜稚内
音威子府でR40と別れ、R275に入っ てすぐのところに道の駅「おといねっぷ」 がある。当時は道の駅の存在を知らず、ただの観光センターと思っていた。中に入ると木工細工が 多く展示してあった。R275を走っていると時々、鉄道のトンネルや跨線橋が見える。 天北線の跡である。今回、10年前の北海道の 地図をコピーして持って行ったのも、廃止になったローカル線を確認する為である。鉄道は無く なっても、街は駅を中心とした造りがそのまま残っていることが多かった。 再びオホーツク海に出ると今度はR238 に入る。日本最北端まであと少しだ。日もだいぶ暮れてきたし、相変わらず天気も悪い。日没直前 に宗谷岬に到着。昼間の天気の良い日であれば樺太も見渡せるらしいが、それも出来ずお土産屋 に入り友人にお茶漬けを買う。稚内駅で記念入場券を買い、駅前の食堂で夕食。カニと鮭とイク ラの入ったどんぶりを食べる。これがなかなかで、値段も千円程度だったと思う。
◆ 6日目 稚内〜小樽
翌朝は昨夜とはうって変わっての青空。 R231を進み、札幌市内へ。旧道庁、時計台などを巡り市内観光を楽しむ。午後には小樽に移動 の為、R5を走る。途中に銭湯があったので汗を流す。小樽ではフェリー埠頭へ真っ先に行き、予約 を取る。その後市内を散策。まず始めに鉄道記念館を訪ねる。つい先日まで函館本線を走っていた C623もここに展示されていた。現在は改装されて、小樽交通記念館という名前になっていると思う。 次に訪れたのが北一硝子。ここでビアグラスを購入。最後に展望台に登り、夜景を撮影した。
◆ 7日目 小樽〜自宅 フェリーに乗り込みいよいよ北海道ともお別れである。始めは二等、いわゆる雑魚寝部屋を 予約してあったのだが、\1,750の差額で二等寝台へ移れると知り、早速変更する。これは正解で あった。二段ベッドではあるが、カーテンもあり快適に眠れる。同室のライダーから声を掛けら れた。彼らも北海道をバイクで廻ったとのこと。北海道を走っていていわゆる「みつばち族」を 数多く目撃した。私はバイクの免許を持っていないが、北の大地をバイクで走るのは爽快であろ う。確か大学生とスタンド勤務と言っていました。これを見ていたら メール下さい。(^_^) 船旅は揺れも無く 快適そのもので、約20時間の旅はあっと言う間に終わりを告げた。北陸道の新潟西ICから関越道 を経由して自宅についたのは23時頃であった。 総走行距離、約3,500km。北海道をほぼ一周する行程であった。次は内陸部を廻ろうと思う。
◆ ■ 夢紀行 |