夢紀行logo 北海道の旅 前編(平成4年9月12〜14日)

まえがき
 ツーリング好きなら誰でも一度は憧れる大地、北海道。私も多分に漏れず、いつかはと思って いました。しかし、金銭的な理由(笑)でその念願が叶ったのは社会人になってからです。この 旅が自分の車で行った最初の本格的なツーリングです。

◆ 1日目 千葉〜青森
 9月12日(土)、朝8:00に自宅を出発。R16 からR6経由で仙台を目指す予定だ。R16は何とかクリアしてR6に入るが、千代田石岡IC付近から 渋滞。仕方なく、常磐道に乗ることとする。終点のいわき中央まで走り、再びR6へ。岩沼でR4に 合流し、仙台市へ入る。丁度帰宅時間と重なった為か、R4バイパスは渋滞していた。R45との分 岐を過ぎて、新幹線の高架を潜った先にあるスタンドで最初の給油。ナンバーを見たスタンドの おじさんが「千葉から来たの?」と声を掛けてくれた。聞けば茨城出身だが、千葉に近い所らし い。私がこれから北海道へ行くと話したところ、「遠いから気をつけてな」という温かい言葉が 返ってきた。この辺りから渋滞も解消してひたすら北を目指す。フェリーは早朝の便を予約した が、早く着けばその時に空きがある便に乗ってしまおう。R4は山の中を走るにも関わらず、比較 的高低差が無い走りやすい道である。大きな都市は大抵バイパスが整備されていることもその理 由だろう。
 青森県内に入り、野辺地を過ぎた辺りであろうか、急に睡魔が襲ってきた。まだ、日付が変わ ったばかりだし、ここで少し寝ても大丈夫だろうと思い、偶然あったパーキングエリアにてしば しの仮眠。30分ほどうとうとしたらすっきりしたので出発。右手に海が見えてきた。陸奥湾であ る。青森市内に入り、信号待ちの間に隣のタクシーにフェリー乗り場を訪ねる。午前2時頃であ ろうか。ようやくフェリー埠頭に到着した。
 車検証を持って手続きを済ませて乗船。函館に着くまで、しばしの睡眠を取る。

◆ 2日目 函館〜苫小牧
 夜が明けて、目が覚めるとフェリーは函館に到着する直前であった。函館に上陸し、 R5の松並木を抜ける。函館観光は次の機会 にしよう。R5をしばらく走ると大沼公園へ。早朝の為か誰もおらず、ひっそりとしていた。

北海道上陸 大沼公園
▲ついに北海道上陸! ▲大沼公園

道道5号
▲道道5号の標識を前に

長万部でR5と別れ、R37へ入る。天気が良く、海がキラキラと光っている。しばらく走ると対向車 がパッシング。再び対向車がパッシングしてきたので、「ねずみ取りをやっているな」と思い気 持ち減速。案の定やっていました。夏の北海道は要注意ですね。
 何処かで風呂に入りたいと思い、地図を広げてみると洞爺湖が目に入った。ここなら温泉街だ し、日帰り入浴が出来る宿か、銭湯があるだろうと思い、 R230へと左折する。前を自衛隊の 部隊が走っている。R5でも目撃したが、北海道を走っているとよく目にする。冷戦が終わったと はいえ、やはり北の最前線を感じさせる。洞爺湖温泉街で銭湯を発見し、さっぱりする。やはり 温泉は気持ち良い。そのままR37に戻るのもつまらないので、道道5号でオロフレ峠を越えよう。 まさに道道めぐり?(笑)
 登別でR36に入り、ひたすらまっすぐな道 を快調に進む。そろそろ今晩の宿を決めなくてはいけない。今夜はぐっすりと眠りたいので、 車中泊はよそう。苫小牧に泊ることに決め、宿探しの為、 苫小牧駅を目指す。駅前にはたいてい観光案内所があり、そ こで宿の世話もしてくれる場合が多いからだ。予算を言えばたいていそれに合った宿を紹介して くれる有難い存在である。中には宿の予約は旅館案内所でしか行わない所がありますので御注意 を。結局この日は駅に行く途中で見つけたビジネス旅館に宿泊。

◆ 3日目 苫小牧〜厚床
 R36は朝のラッシュで少々混んでいたが、しばらく走るとうウソのようにクルマがいなくなった。 R235に入り、襟裳岬を目指して走る。 途中、SLらしきものを発見。近づいてみるとD51が2両ある。しかし、ちょっと違う。どう やらサハリンから戻ってきた車輌のようだ。新聞で見た記憶があったが、何故ここにあるのだろ うか?
D51 D51
▲きれいに化粧したD51 ▲こちらはまだ未整備

   サラブレッドの牧場を横目に見ながら走る。日高地方は全国でも有数のサラブレッドの産地で ある。R235からR236へ変わり、さらにR336に変わる。えりも町に入ってしばらくして道道へ進む。 一面草地が広がり、程なく襟裳岬へ到着。駐車場と数件のお土産屋だけの寂しいところである。
 再びR336、通称、黄金道路を今度は北上する。途中、少しではあるが波を被った。台風の時な どは通行止めになるのであろう。広尾町に入り、 旧広尾線広尾駅跡を訪ねる。駅舎はバス待合所となり、ホームには数両の気動車と貨車が 置いてあった。R336と別れてR236に入り、しばらく北海道らしい風景を楽しみながら走る。次の 目的地である幸福駅跡はすぐに分かった。今やここも観光地となったのか、駅前広場にはお土産 屋があった。駅舎には相変わらず定期券が貼られてあり、いまでも多くの人が訪ねて来ているよ うです。

襟裳岬にて 幸福駅にて
▲襟裳岬にて ▲幸福駅にて
幸福駅にて
▲幸福駅駅舎にて

 帯広市内へ入る手前でコイン洗車場にて洗車をして、帯広駅へ。駅ビルに入り、 六花亭を探す。あることはあったが、本店が近くにあると言 うのでそちらへ向かうことにする。へ戻ると「千葉の方ですか?」とい う声。私と同じく、車(マツダ・ボンゴ)で北海道を旅しているという。東京の人で、足立から一般 道(R6〜R45)で大間まで行き、北海道へ渡ったという。車が1BOXなので、全て車中泊とのこと。 このように旅先で声を掛けてもらえることは非常に嬉しい。
 ボンゴ氏と別れ、六花亭本店へ。ここでお土産として バターサンドとホワイトチョコレートという定番品を買う。 さて、取り敢えず釧路までは今日中にたどりつかなくては。だいぶ日も暮れてきた。R38を走るこ と数時間、釧路に到着。釧路駅でイクラ丼を食べる。さて、今日はどこに泊ろうかと思案したが、 この時間では案内所も閉まっているので車中泊することにした。そうと決まれば眠くなるまで走る だけ。R44を東に向かって進む。周りの車がだんだんと少なくなって、私一人になる。こういう時 は何とも言えない不安感が襲う。ここで事故を起こしたらどうなるだろう?など。山道になって しばらくして、前方に数台の車が止まっている。どうやら事故らしい。軽の1BOXが大破している。 運転手は腕から血を流していた。車を止めて話しを聞くと、エゾ鹿とぶつかったらしい。確かに 道路にそれらしい肉片が散乱している。鹿は草むらに逃げたらしいが、死ぬのは時間の問題であろ う。それから運転が慎重になったのは言うまでもない。
 23時を回り、眠くなってきたので厚床駅前に車を止める。寝袋に入り車中泊。これが失敗であ った。

 後編へつづく

後編  夢紀行